8/27定例演説要旨

今日は午前中まで千早鍛錬会に参加していた。千早鍛錬会は平泉澄という国史学の泰斗の学統を継がれる方々が毎年続けておられる合宿である。千早とは千早城のことで、現在の大阪府千早赤坂村にある。
後醍醐天皇による建武の新政を支えた南朝の忠臣である大楠公こと楠木正成公が立てこもり北条幕府軍と戦った。楠公はわずか数百の軍勢で数万とも言われる幕府軍に包囲された。誰もが数日で陥落すると予想したが城は一向に落ちなかった。そのうちそれまで幕府を恐れて情勢を伺っていた全国の武将が蜂起し、ついに幕府を倒した。楠公は討幕の魁をなしたのである。
この様に建武新政に顕著な功績を残した楠公だが、現在では湊川神社がある関西はまだしも関東では名前すら知らない人が多いのではないか。浦安が小中学校で使っている歴史教科書も楠公は一言「河内の悪党」としてしか記されていない。
楠公は戦後の歴史から抹殺された。それは楠公が支えた建武新政の本質が、幕府から朝廷が権力を取り戻し天皇親政(天皇御自ら政治を行う)を回復した事にあり、戦後の天皇、すなわち天皇は国民統合の象徴で実権を持たないという天皇の在り方と矛盾する。だからその新政を支えた楠公も戦後の歴史観からは都合が悪い。だから消されたのである。
しかし、天皇に対して忠義を尽くし日本人としての模範的な生き方や道を示した楠公は学校でも正しく教えねばならない。歴史は事実の羅列ではなく、日本のあるべき姿や理想、日本人の進むべき道を写し出す鏡である。しかし現在の学校や教師は子供たちに道徳的な道を示す責任を放棄している。私が4年前に教育改革を志し市議選に出たのはまさに歴史教育を通じて日本人の道を取り戻すためだ。
楠公を殊の他尊敬し楠公に日本人の道を見出したのが吉田松陰先生だ。周知の様に先生は松下村塾で多くの弟子を育成し明治維新の扉を開いた。国際情勢を学ぶためペリーの黒船に乗ってアメリカに渡航しようしたが断られ、幕府に捕まって萩の野山獄に幽閉された。その時居合わせた囚人に孟子を講義した『講孟箚記』には、近年我が国に押し寄せる外国の侵略から日本を守るには、君臣の義と父子の親からなる我が国の国体を明らかにせねばねらないと説いておられる。さらに『松下村塾記』では、人として最も大切なのは君臣父子の道義であり国として最も大切なのは、華夷の別だと述べておられる。この我が国の道義としての国体を明らかにする事が国を守る上で最も大事だと説いておられるのである。
そして、これは今も昔も変わりはない。昨今ウクライナ戦争で国際政治は混沌を極め我が国も国防力の強化が叫ばれているが、いくらアメリカから高い兵器を買っても、日本の本来のあるべき姿や目指すべき理想は何か、日本人の進むべき道は何かという国体の根本が立たねば何の意味も成さない。今時の政治家が言う様に、国民の生命や財産を守ることのみが目的ならば、国の為に戦えば死ぬ可能性もあるのだから、財産を海外に移して逃亡した方が合理的である。それでも国の為に戦うのは国体の大義があるからである。
ウクライナ戦争は第三次世界大戦だという識者もいるが、アメリカ主導の一極的世界秩序を転換する契機になるだろう。これまでは冷戦時代を引きずってアメリカの足元にしがみつき金儲けの事を考えておれば良かったが、もはやアメリカは沈み行く泥舟である。

ウクライナ戦争でもグレートサウスをはじめ欧米以外の世界の大半の国は対露制裁に加担していない。そうした中で日本だけが旧態依然として対米追従を続けていて良いのか危惧している。国際政治の中で我が国日本の立ち位置や使命は何か。国体の理想に立ち返った根源的な議論が必要だ。
特に今回のウクライナ戦争で不味かったのは
、ロシアを完全に敵に回し中露を一体にしてしまった事だ。今のアメリカに欧州と東アジアの二正面作戦を戦う能力はないし、アメリカがウクライナ支援を続ければウクライナの死傷者はいたずらに増え、アメリカの兵站は枯渇する。するとその権力の空白を突いてチャイナが台湾や尖閣に侵攻するリスクが高まるのである。アメリカは軍産複合体が儲かるので日中対立を煽っている節がある。だから余りアメリカの口車に乗ると戦場になるのは我が国なので割り引いて考えるべきだが、チャイナが中台統一を目指しているのは間違いないので国の守りを固めねばならない。しかしその際、国防力とは先述した様に、軍事力だけを指すのではなく、兵站を担う産業基盤や食料・エネルギーの自給体制などを含めた総合的な視点で国防力をとらえねばならない。名目GDPでアメリカの1/10にも満たないロシアが欧米の経済制裁に持ち堪えているのは、ロシアの食料エネルギー自給率が100%を超えているからだ。それに対しアメリカの兵站能力が枯渇しつつあるのは金融経済のグローバリゼーションの中で、武器や弾薬を作る米国内の産業拠点が海外に移転し生産力が衰えているためとも言われている。
こうした国防力の基盤は、地方自治体による取り組みの積み重ねだ。その点、千葉県は食料自給率全国平均28%に対し23%しかない。農家の高齢化で年々増え続ける耕作放棄地を浦安の様な都市部の若者に紹介し新規就農を支援するなど県内自給率を上げるための地道な取り組みが必要だ。国体観を取り戻すための教育改革も千葉県や自治体の責務である。
最後に、今般の福島第一原発の処理水放出を受けてチャイナが我が国からの水産物の全面禁輸を発動した。もっとも千葉県は、東日本大震災以来チャイナから全ての農産物の輸入を禁止されて来た。
私はIAEAなど胡散臭い国際機関が安全基準を満たすと言っても簡単に信用するほどナイーブではないが、事実としてあるチャイナの原発のトリチウムの放出量は福島原発の6倍以上との報道もあり、その様な事実を棚に上げて対日禁輸を発動するのは、単なる言いがかりであり嫌がらせでしかない。
千葉県は毎年政府に対して、中国政府が科学的な根拠に基づいた輸入制限をする様求めるように要望しているが如何にも手ぬるい。科学的根拠なき嫌がらせの様な禁輸措置を取るチャイナに毅然たる対抗措置を取るよう政府への要望を改めるべきである。
以上。

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