朝鮮方策要綱-朝鮮研究の中間的結論

 

朝鮮方策要綱-朝鮮研究の中間的結論

①朝鮮は国体不在により、内訌やまず自己統治能力を持たない。よって日本の保護的干渉を必要とする。歴史的に朝鮮の内訌は隣国の侵略を招き、その余弊は直接わが国を脅威してきた。よって朝鮮への関与を通じて彼の地に皇道を広めることは、神武大詔に示された天孫民族たる我が国民の道義的使命であると同時に、わが国の国防戦略上、不可避の命題と言わざるをえない。

 

②朝鮮の自主的近代化の試みは、金玉均の失脚によって頓挫した。当初、わが国の在野論調としては、樽井藤吉を嚆矢とした日韓の対等合邦が理想化されたが、事大主義に汚染された朝鮮を前にし、歴史の現実は過酷な日韓併合の道程を歩まざるをえなかった。

 

③わが国の過去における35年の朝鮮統治は、歴史的必然であり、総督府当局は概ね一視同仁のご聖旨を拝し、最善を尽くしたと総括しうる。しかし、これを現在の南北朝鮮が断罪するのは、被支配の体験的事実によるものというよりは、生来の事大主義、慕華思想によるものであり、したがって、わが国の国力に応じて可変的、相対的なものである。

 

④戦後の朝鮮半島は南北に国家が分断されたが、互いに往年の事大主義や宗族利己主義を反省し、これを克服するためにわが国の天皇国体を模範とし、これを模倣したことでは共通している。しかし何れも厳格な階級分断、地域葛藤、有力宗族による苛烈な支配といった宿によって頓挫した。

 

⑤現在のわが国の国力上、朝鮮情勢に関与しうる政策的な資源は限られており、ましてや戦前に於けるようなアジア大陸への領土進出は到底期し難い。しかし、方や金正日の死による北朝鮮の体制動乱は、第二次朝鮮戦争を誘発する要因となりかねない。その場合、米韓同盟を介して韓国を援護するわが国は、中朝による直接的な核攻撃の脅威にさらされるであろう。

 

⑥アメリカは米韓同盟を通じた朝鮮情勢へのコミットを縮小させつつある。それには米国財政が戦費増大によって慢性的に逼迫し、ドル危機が進行しているといった経済要因も看過できないが、同時に米国の防衛政策が地政学要因にとどまらず、気まぐれな世論や道義的指針に影響されるといった事情も考えられる。

 

⑦そこでわが国は、天壌無窮の神勅と三種の神器を奉じた平成の維新改革を断行し、自主防衛体制を構築して来る有事に備えねばならない。そして朝鮮有事に際しては、朝鮮の統一と独立を支援し、朝鮮の内部に親日勢力を扶植せねばならない。

 

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