エドワード・ルース『インド 厄介な経済大国』(2008、日経BP社)覚書②

人口1,205,073,612 (July 2012 est.)

内ヒンドゥー80.5%、ムスリム13.4% (2001 census)

 インドの国民統合の最大の障害物になっているのが、ヒンドゥーとムスリムの葛藤であり、ムスリムに改宗したインド人の多くは被差別階級である処の下層カーストであると述べた。したがって、インドが世俗主義の原則を捨て、ヒンズー教を国教にしても、カーストがある限り、下層カーストがアンべードカルによる新仏教などの他宗教に改宗する誘因は消えない。

 しかし本書によると、神の下の平等を謳うイスラムの中ですら、ペルシャやアラビアから来たムスリムの子孫を自称する「アシュラフ」と、元々下層カーストだった非「アシュラフ」の間で、カーストに似た差別が存在するという。

 またインドのムスリムはスンニ派とシーア派で分裂している。

 このように13億人弱のインド人口の13%以上を占めるムスリムも決して一枚岩ではない。

 上記と関係があるかはわからないが、インドがシーア派ムスリム国家のイランに対して同情的なのも、ただインドの石油が不足しているという理由だけでなく、パキスタンがスンニ派であることと無関係ではないのではないか。

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