エドワード・ルース『インド 厄介な経済大国』(2008、日経BP社)覚書③

 1991年のルピー切り下げを契機とし、インドはそれまでネルー以来の政治家が愛着してやまなかった「スワデシ(国際品愛用)」を断念し悪名高い「ライセンス・ラージ」を緩和せざるを得なくなった。このルピー危機は、湾岸戦争で石油価格が高騰したことでインドの外貨準備が底をついたことに原因していた。戦後インドは、輸入代替型発展に依拠し、自国産業を手厚く保護してきたため、IAS(インド行政職)を中心とする腐敗と非効率性に覆われた肥大した政府が温存されてきた。筆者の当時でも、インドで組織化部門の職に就いている3500万人のうち、2100万人は、政府の直接雇用者である。さらに残りの民間雇用者1400万人のうち、ITやソフトウェアなどの企業で働いているのは100万人強で総労働人口の0.25%に過ぎない。ドイツのNGOである Transparency International が発表する the Corruption Perceptions Indexでは2011年度、182カ国中95位にランクインしている。この結果をどう取るべきか。

カテゴリー: 書評・覚書 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です