決意
平成31年の統一地方選挙で市議会議員に当選させて頂いてから早や四年近くが経過し、私の任期もまもなく終わろうとしております。これまで多くの方々に支えられ議員活動に邁進することができました。誠にありがとうございました。
市議としての活動を続けるなかで、災害対策やコロナ対策、教育改革など、市政だけでは解決できない課題に直面し、市と県や国との広域連携の必要性を痛感致しました。
そこで、私は来期に向けて、市議という現職に安住することなく、県政という新たなステージに挑戦することを決意致しました。
とはいえ無所属での出馬であり、既成政党や宗教団体、労働組合といった組織の支援もない大変厳しい戦いになります。しかしそういう私だからこそ、特定組織の代弁者ではなく真に市民の代表者として公正な政治を実現することができます。
県政の立場を通じて、引き続き浦安市政の発展に身を投げ打つ覚悟ですので、なにとぞ絶大なるご支援を宜しくお願い申し上げます。
6つの政策の柱
①都市インフラの整備・強化
②市民の高い教育ニーズに対応した教育改革
③県を挙げた少子化対策
④起業支援と新産業の育成
⑤食と農を通じた自治体間の広域連携
⑥過剰なコロナ規制の解除と日常の回復
①都市インフラの整備・強化
・四方を川と海で囲まれた浦安の歴史は水害との戦いの歴史であり、治水対策は市民の安全の要です。しかしながら、先般、国の会計検査院の調査によって、県が管轄する堀江排水機場の老朽化による耐震性能の不足が指摘されました。今後首都直下地震などの大地震で建物が倒壊し堀江川が氾濫する恐れがあります。また長年の懸案である境川河口部の水門設置についても、高潮対策に責任を負う県と内水排除に責任を負う市との綱引きが続き遅々として進展しません。県と市が責任を擦り付け合うのではなく責任を分担して緊密に連携協力し課題解決に向けて前進させます。(治水対策の強化)
・老朽化する周辺護岸の長寿命化や耐震性強化を推し進めるとともに、水利を活かして千鳥地区や港地区などの港湾を整備し、水上バスの運行や、災害時における海上での支援物資・帰宅困難者輸送体制を構築強化します。(港湾整備)
・県道若潮通り沿いの今川橋交差点や美浜エステート前スクランブルは、歩車分離式になってから歩行者の青信号が短くなり市民の方から多くの苦情を頂いております。こうした交通インフラについても千葉県公安委員会や警察と緊密に連携し改善を図ります。(交通インフラ改善)
・慢性化する国道357号東京湾岸道路の交通渋滞緩和を期して、周辺環境に配慮しながら第二湾岸道路の建設計画を推し進めます。(第二湾岸推進)
・千葉市が実施したシェア・サイクルやドローン宅配、自動運転モビリティなどの実証実験の成果を活用し、本市も最新のテクノロジーを社会実装して市民の交通利便性を向上させます。(ハイテクの実装)
②市民の高い教育ニーズに対応した教育改革
・浦安は市民の教育ニーズが高い街です。しかし、市内に二校ある県立高校は、残念ながらそうした市民のニーズに応え、安心して我が子を通わせられる環境が整っているとは言い難い状況にあります。私も二校を視察しましたが、校舎はひどく老朽化し整備の遅れが目立ちました。
本市はかねてより優秀な子弟が高校受験を回避するため市外の中高一貫校に進学する傾向あります。しかしこうした人材の流出は故郷意識の醸成や街づくりの担い手の育成の観点からも浦安にとって損失です。そこで、市内の県立高校を中高一貫校に改組して教育レベルの引き上げを測り、世界に羽ばたく地元人材を育てます。(県立高校改革)
・本市では小学校教員の3.4%、中学校教員の26.3%が過労死ライン(月の残業80時間)を超える過酷な勤務を強いられています(R3.11)。こうした状況を改善するため県採用のスクール・サポートスタッフを拡充します。(教員の負担軽減)
・私は日本に誇りが持てる教育の実現を訴えて来ました。特に近年では、ウクライナ戦争や、チャイナや北朝鮮の脅威に直面するなかで、皇室を戴く我が国の伝統文化や固有の国柄に自信と誇りが持てる歴史・公民教育を実現し国民の自主独立の気概を高めねばなりません。
そのために、まずは現在市川市との共同採択になっている教科書採択を単独採択に改め市独自の判断で適切な教科書を採択できる環境を整えます。また、県で採用する教員が正当な歴史観や国家観を持てるような研修プログラムの実施を推し進めます。(日本に誇りが持てる教育)
③県を挙げた少子化対策
・コロナ禍によって我が国の少子化に拍車がかかっています。一昨年令和3年の合計特殊出生率は1.3でしたが、千葉県は1.21と全国平均を下回っています。さらに深刻なのは本市であり、婚姻数はコロナ前の令和元年の1,421件から令和3年には1,067件と激減し、出生率は0.96とついに1.00を割り込んでしまいました。まさに「少子化非常事態宣言」を発令すべき事態です。
私は本市における少子化を市の最優先課題と位置づけ、婚活支援や家族手当の支給など、市独自の少子化対策を講じるよう強く求めてまいりました。
こうしたなかで、東京都の小池都知事は、国に先んじて「異次元の少子化対策」を掲げ、「18歳以下の子供に月5,000円を一律給付」や所得制限を設けない「0〜2歳の第2子の保育料の完全無償化」などの大胆な政策を矢継ぎ早に打ち出しています。
千葉県は本年1月から、全国の都道府県で初めて小中学校などで第3子以降の給食費を無償化する方針を打ち出しましたが、こうした子育て負担軽減の取り組みを第2子などにも拡大して県独自の少子化対策を強力に推し進めるとともに、浦安を含む県下市町村による独自の少子化対策の取り組みに対して予算措置を講じて支援する必要があります。私は本市の少子化の実情を国や県に伝え支援を求めます。(県・市による独自の少子化対策)
④起業支援と新産業の育成
・浦安は観光業を基幹産業に据えてきましたが、コロナ禍のあおりを受け、昨年度(令和3年度)における市の法人市民税収はコロナ前の令和元年度よりも7割も減少してしまいました。こうした中で、本市は国・県と協力してスタートアップ支援に本腰を入れ、市経済を牽引する新たな基幹産業を育成する必要があります。熊谷知事も千葉市長時代からスタートアップ支援には熱心に取り組まれ、県政ビジョンにも「起業支援の強化と新たな産業創出」を掲げられています。
いうまでもなく本市はディズニーという世界屈指のエンタメ資源を擁する街です。そこで新浦駅駅前プラザ・マーレといった既存施設の活用や舞浜駅北口開発と併せてエンタメスタートアップを中心としたインキュベーション施設を創設すべきと考えます。
特に羽田空港と舞浜、新浦安を直結する「羽田空港アクセス線」の開通も予定されていることからも、浦安をグローバル・スタートアップ拠点として位置付け、国・県と連動して世界に飛躍するユニコーンの輩出を目指します。(グローバルスタートアップ拠点の構築)
⑤食と農を通じた自治体間の広域連携
・浦安は農業も漁業もない珍しい自治体ですが、千葉県は全国有数の農業漁業県です(令和2年の農業産出額が3,852億円で全国第4位、平成30年の県内漁港水揚金額は537億円で全国第6位)。しかし一方で、農業従事者は高齢化が進み、農家数は平成27年から令和2年までの5年間で18.9%(1万1,810戸)も減少、県内自給率は低下の一途を辿っています。
また近年、自民党政権による種子法廃止や種苗法改正、残留農薬基準値や遺伝子組み換え食品などに関する食品表示基準の緩和など国民の食の安全が脅かされています。
こうしたなかで、浦安と県下の農業が盛んな近隣自治体が連携し、消費者と生産者が顔の見える関係でつながることによって、市民の食の安心安全を守るとともに、県内の農家を支援し若者の新規就農を促進する必要があります。私はそのために県独自のローカル・フード条例や食品表示条例の制定を推し進めます。(食の安全強化、農業振興)
・近年、オーガニック(無農薬、無化学肥料)の米や野菜を使った有機学校給食の取り組みが全国の自治体に広がっています。私も有機給食を実施している千葉県いすみ市や高知県四万十市を視察し、市議会においても有機給食の導入を提案しました。有機給食は、浦安や日本の未来を担う子どもたちの食の安全を担保するとともに、農業体験交流や里山との触れあいを通した食育の観点からも重要です。このような取り組みを個別の市町村レベルだけではなく県全体として支援促進します。(有機給食の促進)
⑥過剰なコロナ規制の解除と日常の回復
・今般のコロナ禍に際して、千葉県と本市の連携体制の不備が明らかになりました。浦安は独自の保健所を持っておらず、本市の保健所機能は千葉県所管の市川保健所が担っています。このためコロナPCR陽性者の住所や年代、症状や基礎疾患の有無といった情報は保健所に集中し、本市の当局も市内の感染状況を正確に把握していない実態が浮き彫りになりました。
いまだに千葉県は、コロナPCR陽性者の内、重症者や死者の年代別内訳や基礎疾患の有無、ワクチン接種による年代別副反応報告件数などを公表しておりません。このため、目下政府が努力義務を課している子どもへのワクチン接種に関しても、接種の判断に必要な情報が提供できておりません。現在浦安市は、市川保健所の分室誘致を推進していますが、これまでの反省と教訓を踏まえて県との情報共有・連携体制を強化し、市民の生命と健康を守ります。(情報共有体制の強化)
・政府は、ようやくコロナの指定感染症法上の分類を「2類相当」から「5類」へ引き下げ、マスク着用の目安についても緩和を検討することを決定し、少しずつコロナ前の日常が取り戻されつつあります。熊谷知事も、長きにわたった学校給食での「黙食」を見直すガイドラインを策定しました。こうしたガイドラインが本市における学校教育の現場においても徹底されるよう働きかけます。
私はこれまで、市内の保護者の方々を中心とした「浦安子ども守る会」と連携し、子どもへのワクチン接種に関する情報周知や学校でのマスク着用に関するガイドラインの見直しを市当局や議会に対して要望、請願して参りました。
引き続き、コロナ前の日常を一刻も早く取り戻し、市民の健康と子どもたちの健やかな成長を守るために全力を尽くします。(マスク、黙食の緩和)