結論
日本をめぐる現在の言説では、「危機」や「挑戦」、「優柔不断」などの言い回しが氾濫している。これらの言葉が日本の衰退を示唆する一方で、それが決着済みの結論だとは信じない。我々の見方では、日本は死活的な分岐点に立たされている。この戦略的に重要な時節に際して、日本は自己満足とリーダーシップのどれかを決断する力を有している。アジア太平洋地域全般にダイナミックな変化が起こっている一方で、この地域の運命を左右する同様の機会に日本が遭遇することは今後決してないだろう。そこでもし日本がリーダシップの道を選びとるならば、日本は一等国としての地位と同盟における対等なパートナーに必要な役割を確保することが出来るであろう。
この同盟漂流の時期にあたり、トモダチ作戦はしばしば米日同盟に寄与した。それはここ数年、特異な政治的不協和音を来たしていた同盟に意味と価値を与えた。しかしそれのみでは同盟が直面する問題を突破するには不十分である。急速に進化する戦略環境と巨大な財政問題は、米国と日本の双方によりスマートで適合的な関与を要請している。本レポートに含まれた提言は、こうした問題に関して米国と日本が前進することのできる領域に脚光を当てることを企図している。また両国がこうした問題を克服するのは同等に重要なことだ。よって、我々は最終提案として、米日両国に対し、そうした問題を改善するための専任の担当者を任命することによって、彼らが米日同盟に関与することを促進する。同盟はそれを必要とし、またそれに値するのだから。