インドの経済界に根を張るゾロアスター教徒

 最近ムガル帝国史の研究をするうちに、インドに根を張り「パールシー」と呼ばれているゾロアスター教徒の存在を知った。「パールシー」の語源が「ペルシャ」に由来する通り、彼らは10世紀にペルシャのイスラム化を避けてインドのグジャラート地方に移住したゾロアスター教徒の末裔である。
 現在の拠点はムンバイやプネといったインド屈指の経済都市を擁するマハラシュトラ州であり、人口にして凡そ6万人と決して多くはないが、歴史的には英国東インド会社と金融貿易面で結託し、現在もインド経済界に隠然たる勢力を確立しているらしい。
 ネルーの娘、インディラ・ガンディーの旦那で、ラジーブ・ガンディの実父でもあるフェローズ・ガンディーもパールシー出身である。またインド有数の民族資本であるタタ財閥のタタ一族も、パールシーである。

(下はタタ財閥の総帥、ラタン・タタ(Ratan Naval Tata)氏)  

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