①TPP参加国の大半は輸出依存率が高く、
②TPPに日本が参加した場合、 加盟国のGDPに占める日米の比重は9割以上であることから、 TPPは実質的に日米FTAである。
③アメリカがTPPへの参加を日本に要求する背景には、 グローバル・ インバランスの是正を企図した米国の輸出拡大戦略がある。
④TPPに日本が参加したとしても、 最大の輸出相手国である米国の内需はリーマンショック以降収縮し てしまっており、我が国の輸出拡大にはつながらない。
⑤仮にTPPへの参加によって我が国の輸出が増加したとしても、 そのことが直接GDPの拡大を意味するわけではない。 特に輸出を担う国際企業は過酷なコスト削減競争に直面しており、労働者は賃金の低下を強いられる。
⑥我が国の輸出産業の競争力低下の原因は、 高関税ではなく円高である。 そもそも我が国の輸入関税はすでにかなり低い。
⑦TPP参加の目的はGDP成長であるが、 現在の不況の要因はデフレであり、 TPPへの参加は安価な外国製品の流入により却ってデフレに拍車 をかける。
⑧貿易は必ずしも互恵的とは限らない。 TPPへの参加によって我が国の農業が打撃を受けるということは 、食料安全保障における国家戦略上の不利益をも意味する。