〇今年三月は市長選挙。コロナ禍での強いリーダーシップが問われる
今年は3月に四年に一度の浦安市長選挙が行われます。現時点では、現職の内田市長の他に、松崎前市長も出馬を表明されています。松崎前市長は五期目の任期途中で突如県知事選挙に立候補されましたが、18年にも及ぶ長期政権のなかで東日本大震災での迅速果断な対応を評価する声がある一方、音楽ホールなどの様々な疑惑が残されたまま市政を去られたことについては、公職への復帰を目指される以上、市民に対して説明を尽くす必要があると思います。また一方の内田市長についても、過去四年間の成果が問われると共に、コロナ禍という未曽有の非常事態に立ち向かうリーダーとしての資質が厳しく問われることになります。
〇市長選挙の三大テーマとは?
そこで私は今回の市長選挙のテーマは以下の三つではないかと思っています。それは第一に、松崎前市政からの「継続と刷新」を掲げて出発した内田市政が、前市政の正の遺産を「継続」し、負の遺産を「刷新」できたかという点です。第二に、今般のコロナ禍という非常時に際して、内田市政が独自の検査体制の構築や中小企業や生活困窮者への支援など、市民に寄り添った迅速果断な対応が出来たかという点です。またコロナショックによる目下の財政危機に対して経費削減や公有財産の活用を含む大胆な行財政改革が断行出来たかという点です。そして第三に、基幹産業である観光業が打撃を受ける中、市の新たな付加価値を生み出す中長期的な発展戦略を打ち出せているかという点です。
〇内田市政は松崎前市政からの「継続と刷新」できたか。
第一の点に関しては、松崎前市政は人口が若い割に出生率が顕著に低い(1.12)本市の特性に鑑み、卵子凍結や市を挙げた婚活支援、少子化対策基金の創設などの少子化対策に力を入れたことは「継続」すべき取り組みでした。しかし、内田市長は就任当初の「事業総点検」で効果が薄いとして婚活支援を中止し、少子化対策基金も廃止したことは残念な「刷新」でした。(参考:少子化対策基金の廃止に反対する理由)一方で、松崎市長の下で副市長を務めた石井氏が内田市長になっても三年間現職に留まり続けたことは、内田市長が松崎前市長の負の遺産を「刷新」する上での大きな妨げになったと思います。
例えば、松崎市長が作った音楽ホールについては、土地の「等価交換」をめぐる不透明な経緯や、30年間で総額150億円という巨額の税金を費やす事業が松崎市長のトップダウンで推し進められたことについて未だに多くの市民が疑惑を抱いております。しかし内田市長が設置した「音楽ホール検証委員会」は、前市政当局の責任者である石井副市長を委員長に据え、他の委員も全員が市の職員から成る公正さを欠いた委員会であり、様々な疑惑に対して真摯な検討がなされぬままなし崩し的に事業の「継続」が決定されてしまいました。これに対し私は市議会で検証委員会に代わる「特別委員会」の設置を発議しましたが反対多数で否決されました。(参考:音楽ホール特別委員会設置発議及び採決結果(12.20))
同様に、私は市街地液状化対策についても、格子状工法が住民合意を得られず失敗したことを受けて、地下水工法に関する「高洲実験」の信憑性を検証し直すべきではないかと訴えましたが、松崎前市長の下で格子状工法での液状化対策を推し進めた張本人である石井副市長が在職であったこともあり、問題に蓋をする形で議論が終結してしまいました。(参考:12月20日一般質問・答弁要旨2市街地液状化対策について)このように、前市政からの「継続と刷新」に関しては疑問符が付きます。
〇「顔が見えない」市長
第二のコロナ対応についてですが、今般のコロナ禍においては、多くの市民が生活に困窮し、ディズニーや飲食店(屋形船を含む)を始めとする多くの市内企業が甚大なダメージを受けております。こうしたなかで、内田市長も経験したことのない異常事態のなかで試行錯誤を重ねられたこととは推察しますが、全体として「市長の顔が見えない」との声が多く聞かれました。対照的に県知事選に出馬表明されている熊谷千葉市長はSNSなどを活用して市民とのオープンな対話・議論を重視し、かといって市民に迎合することなく自らの考えを自らの言葉で市民に発信し続けています。こうしたことからもコロナで苦しむ市民に寄り添い市民の声に耳を傾ける姿勢の違いが浮き彫りになったと思います。(参考:浦安市長と千葉市長のコロナ対応比較)またそうした姿勢の違いは、熊谷市長がデジタルを駆使して市民との直接対話を重ねられていることについて、内田市長が議場で「暇人だから」と言い放ったことにも象徴的に表れていると思います。私も先日、コロナによる延期が決定したディズニーでの成人式について独自にアンケートを実施し、その結果を市の公式ツイッターにコメントしたところ、市の企画部長から電話があり削除を求められました。本来オープンなツールであるツイッターにコメントしただけで削除を求めるこの企画部長の傲慢な態度にこそ当局の閉鎖性とデジタル活用に対する認識の問題性が現れていると思います。
〇立ち遅れる感染対策―問題意識と危機感の欠如
感染対策については、国や県の検査体制が立ち遅れる中、PCR検査への補助など独自の対策を打ち出す基礎自治体が現れております。こうしたなかで内田市長も浦安市独自のPCRセンターを開設しましたが、週に2日のみ稼働で一週間の検査件数は僅かに5.3件であり、殆ど感染対策の意義を成さないまま昨年八月末を以て閉鎖されました。昨年の9月議会では当局は市内のPCR検査を含む検査が一週間で700件受験可能と答弁しましたが(参考:浦安市PCRなどの検査件数を700件に拡大)、その後第三波が到来し感染者が急増するなかで開かれた12月議会で実際の検査件数を質問したところ、市は正確な数字を把握していませんでした。
私は市議会において、現在のように医師の診察がなくても、少なくとも医療従事者や介護施設の職員、教育従事者といった人々の命を預かるエッセンシャルワーカーに対しては、PCR検査よりも「安くて速い」抗原検査なども活用しながら、無料で検査が受けられる体制の構築を強く要望して来ましたが、危機感と問題意識のない当局は聞く耳を持ちませんでした。感染対策に関しては、保健所を管轄する県や地元医師会、病院間での緊密な連携と情報共有が不可欠です。しかし残念ながら市の対応は県任せで危機感と主体性が欠落していると言わざるを得ません。
これに対し、松崎前市長は出馬会見で本市独自の保健所設置を公約に掲げられています。これは隣の市川市が中核市に移行し独自の保健所の設置を目指していることに対応したものです。中核都市に移行するには人口が20万人以上といった要件があり本市(17万人)は無理ですが、中核市でなくとも国との個別の協議によって独自の保健所設置が可能です。とはいえ浦安市より少ない人口で独自の保健所を持っているのは全国でも小樽市(11万人)のみであり、実現のハードルは決して低くありませんが、こうした前向きな方針を果断に打ち出せるのも松崎前市長の強みです。(参考:浦安市独自の保健所設置の可能性について)
〇コロナショックに対する飲食店支援も不十分
周知の様にコロナショックでは、ディズニーや市内ホテルが長期休業に追い込まれ、また屋形船や市内飲食店を始めとする市内企業は深刻なダメージを受けています。こうしたなかで内田市長は、市内中小企業への支援策として、主に①経営安定化資金(貸付)の拡充(貸付限度額1,500万→3,000万円に拡大、利子補給、2年間据置)②事業継続給付金(売上50%以上減少した企業に10万円給付、支給対象はR2.9月時点で600社6,000万円)③地域応援チケット(1人2,000円の商品券配布、支給対象は約17万人で3.4億円)等が実施されました。
しかし、経営安定化資金は所詮貸付であり利益が出なければ返済も行き詰まります。また給付の事業継続給付金も浦安市は10万ですが、隣の市川市では20万円、習志野や柏、鴨川でも20万円、我孫子や香取、成田などでは30万円、松戸や南房総では100万円と大きな差がありました。全国屈指の財政力を誇る割には給付額が少ないと思われた市民は多いのではないでしょうか。
さらに地域応援チケットも、利用内訳は大型店舗が56%、小型店舗は44%。業種は食糧・小売が82%、宿泊飲食16.1%、生活娯楽教育が1.8%と、大型小売店での使用に集中しているようです(令和2年9月議会時点)。こうした結果を見ると、コロナショックで最も大きなダメージを受けている飲食店への支援が十分に行き渡っていない現状があると思われます。
いうまでもなく本市はディズニーやホテル、屋形船などの観光業が基幹産業ですが、内田市長はこれまで本市の経済を支えてきた基幹産業への支援を十分に果たしてきたと言えるでしょうか。例えば、厳しい経営状況に直面するホテルに対して、熊谷市長率いる千葉市では、昨年4月からいち早く「ホテルでのテレワーク割引制度」を打ち出し、利用料金を3000円割引するなどの支援策を実施しました。千葉市のホテル客室総数が9,400なのに対して本市は11,000。市民のテレワーク需要も高まるなかで、むしろ県内最多のホテル客室を擁する本市こそ先陣を切ってホテル支援に乗り出すべきではなかったでしょうか。また飲食店への支援についても、今回のコロナ禍では「ダメな」自治体と「できる」自治体の落差が歴然と現れました。例えば、文京区、横浜市、平塚市、流山市、江東区などの自治体は昨年四月の段階から地元商店街やベンチャーと連携し、テイクアウト情報サイトや区民による宅配ボランティアなどの取り組みをいち早く実施しています。こうした行政によるイニシアティブが本市では感じ取れないのは大変残念なことです。(参考:コロナが晒した「ダメな自治体」「できる自治体」)
〇未曾有の財政危機に対し行財政改革を断行する決断力が求められる
ところで、今般のコロナショックの影響で、昨年の市税収入は法人市民税で20億円減少し、本年はこれに加えて昨年度の市民所得を基に算定される市税収入も10億円以上減少するとの予測が当局によって示されました。さらに市の貯金である財政調整基金の残高も市が健全財政を維持するために必要とした50億円を割り込む勢いで減少し、一般財源への繰り入れが困難になっていることから本年度の予算では財源が約60億円不足しているとの説明が当局からなされています。
こうしたなかで、内田市長は昨年、本年度当初予算編成方針を示され、経常的経費を全体で1割(約60億円)削減し、そのうち物件費と補助費をそれぞれ2割、総額50億円削減するとの方針を表明されました。問題はこの目標を単なる努力目標に終わらせることなく如何に実現するかです。目下における未曽有の財政危機を乗り越えるには、歳出削減の為の行財政改革を断行する市長の決断力と強いリーダシップが求められます。経常的経費の1割削減にしても、この目標を現実に達成するためには、物件費や補助費のみならず人件費(143億円)の見直しも含めた聖域なき議論が必要です。(参考:市政報告第十八号(令和2年10月号))
特に本市の職員給与は、「東洋経済オンライン」の実施した全国自治体職員平均年収ランキングで全国1位との報道もなされており(参考:浦安市職員の平均年収は全国トップ、765万円)、コロナ禍で一般市民が困窮し、市財政が悪化するなかで公務員だけ安泰というのでは到底市民の理解も得られません(すでに市長、副市長、教育長、市議会議員は報酬を1割削減しておりますが、全職員を含めた人件費の見直しが必要です)。同時に、歳出削減の為には、既成の事業や施策を停止または中止する勇気も必要です。内田市長も、コロナ対策として不要不急の事業を停止するとしましたが、市長の肝いり政策で16.5億円の工費を要する「子ども図書館」整備事業については、来年度以降への先送りは決定されたものの未だ正式な事業の中止は表明されておりません。(参考:(仮称)子ども図書館は中止ではなく一時中断)私は箱物事業としての「子どもと図書館」はもはや不可能になったと考えています。市長の最終決断が待たれます。
〇公有財産の戦略的な活用による新たな財源獲得を!
このように市税収入の大幅な落ち込みによる財政危機に対して大胆な歳出削減努力が求められる一方で、公有財産の戦略的な活用による新たな財源獲得のための努力も不可欠です。その象徴的な事例が新浦安駅前プラザ・マーレ一階にあるチャレンジショップです。これまで市は、このチャレンジショップについて、新たな創業を支援するとし、マーレ一階の店舗スペース(66坪)を一年間無償で提供し、さらには光熱費の半分を負担して来ました。しかし新浦安駅前ロータリーに面した一等地に位置するこの店舗スペースをテナントに貸し出せば年間数千万円もの賃料収入=新たな財源を見込むことが出来ることから、私は議会でも現在のチャレンジショップ事業の見直しとマーレの有効活用を市に求めてきました。しかしながら、市はこれまでの事業成果を十分に検証することなく、チャレンジショップの継続を決定したことは遺憾と言わざるを得ません。他にも内田市長が約2億円をかけて作った三番瀬環境観察館も、市民に有料のテレワークスペースとして開放したり、民間と連携しておしゃれなカフェを入れたりすれば、幾らでも収益源として活用できる筈です。(参考:浦安「三番瀬環境観察自然園」について総まとめ!)こうした新たな財源獲得の努力も尽くさずして、市から「お金がない」と言われても市民は納得しないのではないでしょうか。
〇浦安の将来を切り開く中長期的な発展戦略を示せ
以上で私が提案した方策は、当面の財政危機を乗り越えるための短期的施策と言えますが、浦安の繁栄を切り開くためには、中長期的なスパンでの発展戦略が求められます。それが今回の市長選における第三のテーマである将来に向けた発展戦略についてです。内田市長は令和元年に20年スパンの基本構想と10年スパンの基本計画からなる新総合計画を策定されました。コロナが来る以前から、本市は急速な高齢化による人口構造の変化、80年代に作った学校や公民館などのインフラの老朽化により歳出の増加圧力が強まり、既に総合計画策定時点で令和6年には財政が歳出超過に転じるとの予測が示されておりました。これは数字で見ても、平成26年に143.6億円あった財政調整基金の残高が令和元年には86.2億円にまで減少する反面、地方債残高は175.9億円から290.9億円と急速に増加していたことなどにも現れていました。(参考:浦安市の財政状況について―他市との比較)今回のコロナショックで財政悪化傾向は一気に強まりましたが、何れにしてもこれまでの右肩上がりの成長が終焉し転換点に立つ本市は、都市としての新たな付加価値を打ち出し戦略的な生き残りを図る時機に際会していることは間違いありません。
〇教育改革こそ発展の基だ
そこで私は、本市の中長期的発展の鍵を握るのは①公教育改革による全国屈指の教育水準の実現②国や地元企業、べンチャーキャピタルと連携したスタートアップ・エコシステムの構築にあると考えます。まず①の公教育改革についてですが、戦後我が国の公教育は自国の伝統や文化を否定し、「教育機会の均等」の名のもとでの悪平等教育がまかり通ってきました。しかし我が国が厳しい国際競争のなかで生き残り、誇りある国家としての栄光を勝ち取るためには、自国の伝統文化に誇りを持ち、個人の能力や才能を最大限に引き出す公教育を実現せねばなりません。さもなくば、教育格差はどんどん拡大し、我が国の将来を担う若者たちは、無気力と貧困の淵に沈んでしまいます。本市としても、公教育の形骸化は優秀な子弟の市外流出を加速し、市民間の教育格差を拡大させると共に、故郷意識の形成に支障を来すと考えられます。そこで方策として、小中一貫校の創設が挙げられます。これは義務教育課程を統合することで、従来の学級や学年に囚われず個人の学習段階に応じたカリキュラムを提供することが可能になります。公教育改革による教育水準の向上は、教育意欲の高い子育て世帯を呼び込み、市税収入の増加にもつながります。
また我が国の伝統文化に誇りを持てる教育についても、私はこれまで乃木大将と浦安との所縁(参考:浦安と乃木大将)や拉致問題への啓発、尖閣諸島に関する領土教育(参考:『石垣尖閣情勢視察報告書』を提出)、祝祭日の由来や意義に関する教育(参考:【動画】祝祭日の意義に関する教育についての質問(令和2年12月17日))などを引き合いに出しながら手を変え品を変え議会で質問し、子供たちが正しいし歴史観や国家観を培えるような教育の実現を市に求めて参りました。ところが昨年8月に行われた四年に一度の教科書採択では、残念ながら無国籍主義の歴史公民教科書(歴史は帝国書院、公民は東京書籍)が採択されてしまいました。しかし、愛国心のない人間は真の国際人やグローバル人材にはなれません。浦安から世界で活躍する人材を輩出するには我が国に誇りが持てる教育を実現せねばなりません。
〇市を挙げたスタートアップ支援の必要性
次に②のスタートアップエコシステムの構築については、本市も商工観光課や商工会議所が主体となった創業支援を行っています。しかしチャレンジショップの運営など、行政側の制度設計やイニシアティブが不十分なためにいまだ効果的な事業・施策にはなっていません。先にコロナで苦しむ飲食店を支援する為に、テイクアウト情報サイトやデリバリーボランティアに乗り出す自治体が出ていると述べましたが、なかでも横浜市は、フードデリバリーを手掛ける地元ベンチャーと商店街、市が連携して「うまいぞ!横浜」プロジェクトを展開しています。しかしこれも一朝一夕で実現したことではなく、時代に先駆けた横浜市のスタートアップ集積、大企業や研究開発拠点の構築といったエコシステム構築の取り組みがありました。(参考:横浜市と地元スタートアップが連携したフードデリバリーサービス「うまいぞ!横浜。」プロジェクト)インキュベーションやイノベーションを促すには、時代の先を見越したリーダーが率いる行政のイニシアティブと、地元企業や商店街、大学、ベンチャーキャピタル、知力ある市民、そして地元愛に溢れたスタートアップなどが有機的に連携したエコシステムの構築が不可欠です。そして浦安の場合、そのためのスタートアップ支援拠点としてマーレを活用するなどの方策を真剣に検討すべきです。本市の基幹産業である観光業がコロナで揺らぐ中にあって、本市もスタートアップ支援に本腰を入れることで将来を担う新たな産業を創出せねばなりません。
以上、今回の市長選に関する三つのテーマ、すなわち第一に内田市政は松崎前市政からの「継続と刷新」が実現できたか、第二に内田市政のコロナ対策(感染対策、経済対策)は十分であったか、第三、中長期的な将来の発展戦略を描けているかについて見てきました。そのなかで、幾つか政策提言もしましたが、前述した以外にも、今後30年以内に7割以上の確率で発生するとされている南海トラフ地震や首都直下型地震への対応やフードロス削減の為のフードシェアリング、AI婚活の導入、行政手続きのデジタル化、情報公開の促進など、山積する政策課題は多岐に渡ります。
何れにしても今回の市長選挙が、これまでのような地縁血縁、義理人情の選挙ではなく、政策論ベースで多くの市民が議論に参加し浦安の発展に寄与する選挙になることを切に願っております。