インドのマンモハン・シン首相が今月25日、二日間の訪中日程を終えた。今回の訪中は、インドが来年4月に下院選挙を控え国内政局が流動的であることに加え、チベット問題や今年4月に緊張が高まった中印間の国境紛争などの懸案を抱えることから、シン首相にとって決して恵まれた条件ではなかったが、滞在中は、習近平国家主席や李克強首相の主催で招待された晩餐会に出席したほか、前首相の温家宝氏と昼食を共にし、中央党学校では外国の首脳として初の演説を行っただけでなく、李首相の案内で紫禁城を見学するなど、中国の外賓としては異例の好待遇を受けた。
インドの大衆紙、ヒンドゥスタン・タイムスによると、今回のシン首相訪中で、中国政府が温家宝前首相を担ぎ出した背景には、中印二国間の関係が、中国の指導部交代によっても変化しないことを示す意図があると分析している。
http://www.hindustantimes.com/world-news/china-says-manmohan-singh-given-special-treatment-as-relationship-with-india-important/article1-1140236.aspx
また23日には、シン、李両首相は北京の人民公会堂において、国境防備協力協定(BDCA)を含む九つの覚書(MOU)に調印した。このBDCAは、中印国境を分かつLAC(Line of Actual Control)の周辺で両国の軍隊が衝突することを回避し、平和と安定を維持するために、双方が軍事演習などに関する情報を交換し、武器や野生動物の密輸を共同して取り締まるとともに、LACの周辺で哨戒活動に当たる両国の部隊がお互いに追尾しないことなどを定めている。
http://www.jagranjosh.com/current-affairs/india-and-china-signed-border-defence-cooperation-agreement-bdca-1382528933-1
周知のように、中印両国は3380キロにも渡る長大な国境線を抱え、その一部には、中国が実効支配するアクサイチン、やインドが実効支配するラダックなど、係争中のものを含む。特に、ラダックは中国側が「南チベット」と呼称し、チベット自治区の一部として領有権を主張していることから、今年4月には、中国軍がLACを超えてインド軍と一触即発の事態を招くなどの緊張が続いている。
http://blog.livedoor.jp/indianews/archives/681337.html
(記事元:http://blog.livedoor.jp/indianews/archives/681355.html)