米外交誌『フォーリン・アフェアーズ』誌日本語版の前号(No.9)に、次期韓国大統領候補の朴槿恵元ハンナラ党党首の論文が載っていた。内容は政治家特有の抽象的な言い回しゆえ多義的解釈が可能だが、全体として北朝鮮の現行体制を核開発放棄と引き換えに承認し、多国間レジームを活用した南北間の融和協調を推進する方向性を示唆するものといえようか。
現実には、従来の「関与」(engagement)政策と「封じ込め」(containment)政策の時宜に応じた組み合わせを踏襲することになると考えられるが、論文ではいわゆる南北縦断鉄道構想にも若干ふれられている。
しかし残念ながら、現実は米中和解よりも米中冷戦に突入しているようにみえる。