フォーリン・アフェアーズ誌上、朴槿恵論文が意味するもの

 米外交誌『フォーリン・アフェアーズ』誌日本語版の前号(No.9)に、次期韓国大統領候補の朴槿恵元ハンナラ党党首の論文が載っていた。内容は政治家特有の抽象的な言い回しゆえ多義的解釈が可能だが、全体として北朝鮮の現行体制を核開発放棄と引き換えに承認し、多国間レジームを活用した南北間の融和協調を推進する方向性を示唆するものといえようか。

 

 朴氏が言うように、今後の朝鮮情勢は、北朝鮮の外交的後ろ盾である中共とアメリカの関係如何にかかわるだろう。「北朝鮮は中国による経済、外交上の保護に多くを依存しているが、中国の世界的な立場が強化され、対米関係の改善によって得られる利益が高まってくるにつれ、北京は北朝鮮への支援を控えるようになるだろう。」

 

現実には、従来の「関与」(engagement)政策と「封じ込め」(containment)政策の時宜に応じた組み合わせを踏襲することになると考えられるが、論文ではいわゆる南北縦断鉄道構想にも若干ふれられている。

 

 

 

 

 しかし残念ながら、現実は米中和解よりも米中冷戦に突入しているようにみえる。

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