インドは伝統的にフェビアン流の社民主義国家を志向し、対外的には非同盟中立外交を堅持、米国と一線を画してきた。しかし91年の金融危機を契機に自由化政策に転じ、その政策はBJP政権に踏襲された。
戦後、国民会議派統治下のインドは、パキスタンを支援する米国に対抗し、ソ連の軍事援助を恃んだ。当時、ソ連は中共と敵対しており、同様に中国と国境紛争を抱えていたインドと利害が合致した。
近年では、ムシャラフの失脚、ビンラディン謀殺などによって米国とパキスタンの関係が悪化したため、反対に米印関係は好転している。またそれに応じて、米印の軍事協力も拡大している。それはインドが米国の対イラン金融制裁に同調しつつあることなどによっても伺える。